手を握って
冷えた瞳
僕は初めて知った。

僕の命が短くて、生きる希望がないことを。
でも、絶望はしなかった。
たぶん、僕は¨死¨を望んでいたから。




僕は相楽四季。
ちなみに性別は女。第一認証が僕なのは性格上男みたいな性格をしているせい。
見た目はれっきとした女だ。むしろ女の中の女。
自覚があるとかではないが、周りからは¨お人形さん¨と言われている。
まぁ、別に嫌ではないけど。正直うっとおしい。
外見で寄ってくる人間には嫌気がさす。
…それは綺麗事なのかもしれないけど。

「ねぇ、相楽さん。実は今日会ってほしい人がいるんだけどぉ…」

来た。毎日毎日うっとおしい。
そう思いながら女子生徒を一瞥して

「構わない。」

一言そう告げて、場所と時間を聞く。
後々面倒なことにはなりたくないから、女子からの誘いは基本断らない。
そのせいか、女子達は遠慮なしに男子に僕を紹介する。
いくら紹介しても、どうにもならない事はわかっているくせに。

「凄く助かるー!ほんと、ありがとー!じゃあ、よろしくね?」

話終えるなり、報告をしているのだろう。携帯を開いて「あ、あのねぇ~」と僕をチラチラと見ながら話始めた。
…今日はどんなやつなのだろうか。
まぁ、どんなやつだろうがどうでもいいが。

「…………。」

はぁ、と小さくため息をついてそのまま教室を出た。
そしていつもの場所へとゆっくりと足を進めた。
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