甘い満月~Sweet Full Moon~
私の人生初の失恋。

とってもとっても短かったけど、とってもとっても好きだった。芯くん。



ありがとう。




私は何時間もその場から動けず、やっとの思いで動かした重い体を引きずって、南のうちに向かった。



「リカ今南の家の前なんだけど、ちょっと上がってもいいかな?」

「リカ? 大丈夫? 今下行くから待ってて!」


南はすぐに下に下りてきて私の酷い顔を見るなり、どうしたのリカ!っと言って抱きしめてくれた。


南の部屋に入ってすぐに今日起きた事を話すと、南は泣きながら真剣に、最後まで聞いてくれた。


「リカ・・・・・話してくれてありがとう。 つらかったね。 私、岡田いい奴だと思うけど、今日リカにした事は取り返しのつかない事だと思う。 だって、リカは岡田にキスされたって事実抱えながら芯くんと付き合うのって、正直つらいと思うもん。
岡田・・・・反則だよ・・・・・・。 芯くんも相当傷付いてるよね・・・・・」


私は、ひたすら南の胸を借り、泣いた。

南は子供をあやすように、ずっと私の背中をさすってくれてた。

芯くんとの恋は終わったけど、私と南の友情は深くなった。

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