甘い満月~Sweet Full Moon~
そんな事を思っていると、

芯くんがまた手を繋いできた。

そして前を向いたまま言った。

「別に、強制じゃないから。嫌になったらいつでも言って。俺は今日をリカちゃんと
楽しく過ごせれば、それでいいからさ!」

「・・・う、うん。わかった。」

私さっき口に出して言ってたのかな。。心の中で考えてただけだと思ったけど。。

「リカちゃんここに座って待ってて!俺チケット買ってくるからさ!」

芯くんは私をおいてチケット売り場へ行ってしまった。

ベンチに大人しく座って携帯を開くと、メールが二件。

一件は南。私の中学からの親友。高校ももちろん一緒。

「リカなんで教えてくれなかったの~彼氏できたんでしょ?オメデトウ☆
学校での報告待ってるからね~!!」

なんで知ってるの。。。しかもまだ付き合ってないし。

二件目。嫌な予感がする。美咲ちゃんから。美咲ちゃんは翼の彼女で、翼が中学二年の時
から今までずっと付き合っている彼女。

「リカちゃん!芯くん落とすなんて、さすが翼のお姉ちゃん!応援してるよ!」

・・・・・・

翼の奴。。。こんなに口が軽いとは思わなかった。でも、嫌な気はしない。
なぜだろう。私が芯くんと付き合えたらいいなって少しでも思っている証拠なのかな。
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