甘い満月~Sweet Full Moon~
私はあんまり気にもせず、ただ単に、海なんてロマンチックだなぁ
なんていう事をのほほんと考え、ただ芯くんの隣を歩いていた。
もちろん手を繋いで。

海の見える歩道にはたくさんのベンチと、思い思いの時間を過ごす人達。
私たちもその光景の一部になる様に、ベンチに腰かけ、ただ海を眺める。

無言の二人。

でも気まずくない。

かえって心地良い時間が流れる。

しばらくそうしていると、芯くんがなにやら携帯を取り出し、
誰かにメールを打っている様子。

私はひたすら海を眺めていた。

日も傾きかけ、オレンジ色の光が私たち二人を包み込む。



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