甘い満月~Sweet Full Moon~
そういえば、翼はあんなに口が軽いのに、芯くんの過去の事については

一切話してこない。

なんでだろう。

私が傷付く様な事でもあるの?

私のネガティブな思考回路は止まってはくれない。

翼は私がそんな事を考えている間にも要領よくセットし終え、立ち上がる。

と、

「俺明日朝練あるからちょっと先風呂入ってくるわ。芯はごゆっくり~」

さっさと部屋を去ってしまった。

取り残された私たち二人は、しばしの沈黙。

密室の中でお互いに意識し合っているのが伝わってくる。
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