甘い満月~Sweet Full Moon~
たった今空しかった心が、温かくなり、一人笑いをしてしまった。


「お前何笑ってんの? しかも一人で」

びっくりした私は思いっ切り、目を見開いた。

私の顔を覗き込んでいた相手は、

岡田だった。

体を起こした私に、岡田は言った。


「やっぱここかよ、このサボり魔が!」


「さ、サボってないよ。ちゃんと寝て、休養中じゃん」


「病人には寒すぎるぜ、ここは。」


「平気だもん。 ってか、何? なんでここにいるの? ストーカー?」

「は? 人聞きわりぃよ。 俺もサボり!」

「俺も、じゃなくて、俺は!でしょ? 私とあんたが一緒みたいじゃん。」

「一緒だろ?」


私たちは目が合った瞬間お互いに笑ってしまった。
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