もっと大切にする~再会のキスは突然に~
「お疲れ様です。おはようございます。」
夜勤者に声をかけながらナースステーションに入っていくと、ただでさえ大きな眼をさらに見開きながら後輩の村上ゆきちゃんが手招きしている。
「先輩、見ました?小児科の新任Drめっちゃタイプなんですけど~。」
今日も念入りにお化粧されたベビーフェイスを天然のチークで更に紅潮させている。
「まだ見てない。連休だったのよ。」
するとゆきちゃんは薄化粧の私の頬につぅっと指を滑らす。
「先輩、エステ行ってきました?ツルツル~。白川先輩ってほんとお肌綺麗ですよね~」
「肌がね、ありがとう。さて、今日は予定入院何人いたっけ?」
ゆきちゃんのいつものセリフを適当にあしらいながら仕事に促す。