もっと大切にする~再会のキスは突然に~

麗奈さん…。

今週も来ているんだ。


初めて麗奈さんを見てから、もう毎週末に麗奈さんの目撃情報は聞いていて。

あのショートカットの美人は誰だ!?って噂になっていた。


あまりにも、じっと見すぎていたのだろう、麗奈さんが私の視線を感じてふっと顔を上げる。


「あれ?あなた…。」

驚いたように見開かれた利発そうな瞳。色白の肌にうっすら引かれたピンク色のグロスが可愛らしさを引き立てる。


まだ視線を逸らせない私に麗奈さんは小首を傾げる。

「白川…さん?」

私の名前を知っていることに驚く。

「私のこと知ってるんですか…?」

「 悠樹と付き合ってたでしょ?よく2人でいるのを見かけてたから…。」


にっこり笑みをうかべる麗奈さん、とは対照的に私の顔は見事に引きつっている。

名前で…呼んでいるんだ。


私に笑いかけるその表情が、余裕だっぷりに見えて、胸がチリチリ焦げだす。
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