もっと大切にする~再会のキスは突然に~
なんで、こんなタイミング…。
久しぶりに見る河合クンの顔…ちょっと疲れてる。
「2人、知り合いだっけ?」
当たり前のように麗奈さんの隣に並び、固まったままの私からは視線を外し、彼女に聞く。
「お疲れ、 悠樹。…白川さんのことは知ってるわよ~。あの頃よく 悠樹が話していたからね。」
「はは、そうだったかな。」
2人のその姿にやっぱり私の限界は待ってくれなくて。どれだけ奥歯を噛み締めても、頬に生暖かい雫がつたってしまう。
「え?…葵!?」
驚きに目を開かれた河合クンの顔をもう見れなくて走り出す。
麗奈さんにも失礼だとは思うけど、
こんなところで泣いてしまう私も信じられないって思うけど、
お似合いの2人を見て祝福できるほど私の傷は癒えてないみたいで。
もうすっかり暗くなってしまったのをいいことに、顔も隠さず全力疾走する。
もう、ヤダ。よりにもよって2人の前で泣いちゃうなんて。
付き合ってた時も河合クンの前で泣いたことなんて数えるくらいしかなかったのに。