もっと大切にする～再会のキスは突然に～

それから、普通の社会人みたいに合コンにも参加したり、それなりに彼氏も数人いたりもしたから、河合クンのことは上手に忘れていたつもりだった。

でも、思いがけず再会して、声を聴いて、触れられただけで、あの頃のことが昨日の事のように鮮やかに蘇る。


やだ、私。何動揺しちゃってるの。

キスも未体験の中学生みたいにドキドキしちゃって。

きっと、顔だって目も当てられないくらい真っ赤だったに違いない。


私はふっとため息一つ吐き、煩悩を断ち切るようにフルフルと頭を揺らし、午後からの業務に集中した。