もっと大切にする~再会のキスは突然に~

なぜか彼の姿を見ていないだけで気分も落ち込んでる私がいるけれど、そんな中ナースステーションの皆が色めきたつ吉報が舞い込んだ。


『歓迎会のお知らせ』


総務部から舞い込んだその用紙とすでに組まれている4月末のシフト表を見比べながら歓喜と落胆の声が入り混じる。

「やったぁ!私明けです~。もちろん参加しますっ。」と一際高い声をあげるゆきちゃん。

私を問い詰めた先輩方は明らかにダメだったようで、夜勤を替われないか眉間に皺を寄せながら考え込んでいる。

私も月末の勤務は頭に入ってなかったけど、ゆきちゃんの声で知らされる。

「白川先輩。一緒の夜勤ですよ~。参加できますね!」


病院全体で行われる歓送迎会の類は、外せない予定がない限り参加するのが慣例で、特に私のような独身は有無を言わさず参加扱いとなる。
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