もっと大切にする~再会のキスは突然に~

やっと女の子もお父さんも状態が落ち着いたのは患者さんの夕食時間もとうに過ぎてからだった。


私達は今から物語のように長い看護記録を書き終えると勤務終了となるけれど、状況の変化する女の子を担当する高木先生はまだまだ仕事が終わらないようで、つくづく医者の大変さを感じる。


いろんな医者がいるけれど、患者さんに真摯に向き合っている医者は家に帰ってからもほんとうの意味での休息時間はないように思えるから。


私達も、もちろん家に帰ってから反省したり、気になる事例について調べたりもするけれど、でもやっぱり勤務時間が終われば呼び出されることもなく頭を空っぽにしたって支障はない。
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