もっと大切にする~再会のキスは突然に~
「ねぇ、なんで河合クンだと思ったの…?」
院内でそんなにわかりやすい態度していたかと不安になって、恐る恐る尋ねる。
途端にバツが悪そうに表情を曇らす繭子ちゃん。
「ごめん。調べるつもりはなかったんだよ?…従姉妹が葵と同じ大学の学生なの。
で、知ってたから。」
「はぁ~…そうなんだ。じゃあ私が河合クンと付き合ってたコト…」
「ん~、そっちは勘かな。従姉妹が知っていたのは男のほう…と、その彼女。」
その彼女?私じゃなくて?そっちは勘って?
意味深な言葉の意味を、知ってしまうほうがきっと心の傷がもっとえぐれてしまうから。
だから、きっと聞かないほうがいい…。
繭子ちゃんはそう思って、判りづらい言い方で誤魔化してくれようとしていたのも、その表情からわかっているのに。