~クッキー~悠
そして屋上で泣いてたとき、
俺はなにもできないのが悔しくて
そっと奈美を抱きしめた。
その日の空は晴れていて、
いつも来ている屋上とはなんか違う気がしていた。
それでも奈美はクラスに戻ったら
辛い顔ひとつしなかった。
バレンタインデーの日、奈美からチョコをもらって、
でもクラスの男子の一言が原因で
奈美を勘違いさせてしまった。
俺は奈美を屋上に連れて行った。
またあの日みたいな屋上だった。
奈美は俺が好きといって
俺も奈美が好きといって…
奈美と俺はキスをしたんだ。
でも、奈美は俺と付き合おうとしなかった。