~クッキー~悠
そうしてまたあのときも
バレンタインデーのときにも座った
あの位置に座った。
「聞きたいこと、あるんだけどいい?」
「うん…。」
奈美は緊張しているのか
俺の顔をみてくれない。
「なんであのとき教室戻ろうっていったの?」
「…それは…」
「本当のこと聞かせて欲しい。」
すると奈美は俺の目を見ながら話し始めた。
「私、クラスで嫌われてるし地味だし、
悠君にはとても似合わないよ。
弱いしぐずぐずしてるし…
こんな私といたら悠君幸せにはなれない。」
「…。」
「そう思ったから…。
ごめんね。」
「ふっ。」
俺は笑ってしまった。