想い逢う
「そういえば、神崎さん。」
「いやーね、翠ちゃん。私のことは葵って呼んで?」
有無を言わせない物言いだった。
人は見た目に頼っちゃいけないんだね。
学んだよ。
「じゃあ、葵さん。今、何時ですか?」
早く、私は行かないといけない。
あの人たちの所へ。
「今は10時よ。」
良かった。
まだ間に合う。
お礼言って早く行こう。
そんな事を思っていた私に爆弾的言葉が降りかかった。
「と、言っても翠ちゃんがこの家に運ばれて3日は断つけど。」
葵さんはいたずらっ子みたいに無邪気に笑ってくれた。
それはもう全世界の男を虜にしてしまいそうな笑みで。
だが私には一大事でそれどころじゃなかった。
急いでベッドから降りる。
「ありがとうございました!
さようならー!」
扉に向って走っていき扉を開けた瞬間誰かとぶつかった。
「……ったー。」
「わり。大丈夫か?」
目の前に立っている男はかっこいい男の人でした。