地味美少女の過去と秘密
この声…聴き覚えがある…。
そして…“紗莉那”と呼ぶのはあいつしかいない…。
「…旭…っ!!」
振り向くといるはずのない旭が私の腕をつかんでいた。
「…どうして…どうしてきたの?」
「みんな帰って来て…っ…雨が降って来て…っ…肝試し解散になった。
お前とペアのやつは帰って来てたけど…っ…。
お前が帰って来てなかったから…っ…可笑しいと思って…っはぁ…。」
旭…息切れしてる。
そんなに急いできてくれたのかな…?
「旭…大丈夫…?」
「ったく…走らせんな、ばーか。」
そう言って旭は鼻でふっと笑った。