地味美少女の過去と秘密




「てか、俺1人で暮らしてんだよね~。」



「え?なんで?実家から遠いの?」



そう聞くと翔平の顔色が少し曇った。



…私、聞いちゃいけないこと聞いたりしたかな…?



「…実はさ、俺んち親いないんだよね。
小さい頃、母親は死んで、親父は中2んとき、女とどっか消えた。
それから俺は親戚んちに引き取られたっつーわけ。」



やっぱ聞いちゃいけなかったよ…。



…なんか空気重くなっちゃったし…。



「…それからずっと1人で…前の学校とかでもあんま馴染めなくて。
それにもう親戚には迷惑かけられねぇって思ってこっちき1人暮らし始めたんだ。」



…きっと辛かったんだろうなって同情した。



だって…あんな明るかった翔平が一気に暗くなったから。


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