魔法少女はじめました
そして、後日。
季節は春。
撫子も無事進級して、三年生となった。
そして。
今日も今日とて、夕と撫子は弁当を囲んでいた。
今日は夕が新作スイーツとやらを持ち込んでいる。
「秋雨くんとか、よく夕のお料理に文句言うから、ちょっと味付けを甘めにしてみたんだけど…どうかしら?撫子ちゃん、どう思う?」
と、差し出されたケーキは、かわいいピンク色。
甘いものに目がない撫子は満面の笑みで受け取った。
ケーキを口に運ぶ撫子の前で、ふわふわの毛先をいじる夕。
女子から見てもうらやましいくらい、かわいい。
(あーあ、夕ならあのふりふりも似合うのに)
などと思う撫子に、夕がとんでもない爆弾を投げつけた。
「ねえ、最近よくニュースに出てるラブリーピンクってかわいいと思わない?」
「ぶふーっ」
撫子は、口に入れたばかりのケーキを盛大に吹き出した。
「げほっ、え、何、…っていうか辛!なにこれ辛あああ!?な、何入れたの、夕っ!?」
そして、じわじわくる辛味。
なんというか…ケーキからしてはいけない味がする。
早めに吹いてよかった、かもしれない。
「えー?トムヤンクンペーストよ?もうちょっと入れた方が美味しいんだけど、今日は少なめにしたから、ピンクでかわいいでしょ♪」
目の前でにっこりと天使のような笑顔を浮かべる夕。
…かわいいはずのピンク色が、禍々しく見えてきた。
保健室に集う後輩たちに心の中で合掌して、撫子は水を求めて駆け出した。
撫子も無事進級して、三年生となった。
そして。
今日も今日とて、夕と撫子は弁当を囲んでいた。
今日は夕が新作スイーツとやらを持ち込んでいる。
「秋雨くんとか、よく夕のお料理に文句言うから、ちょっと味付けを甘めにしてみたんだけど…どうかしら?撫子ちゃん、どう思う?」
と、差し出されたケーキは、かわいいピンク色。
甘いものに目がない撫子は満面の笑みで受け取った。
ケーキを口に運ぶ撫子の前で、ふわふわの毛先をいじる夕。
女子から見てもうらやましいくらい、かわいい。
(あーあ、夕ならあのふりふりも似合うのに)
などと思う撫子に、夕がとんでもない爆弾を投げつけた。
「ねえ、最近よくニュースに出てるラブリーピンクってかわいいと思わない?」
「ぶふーっ」
撫子は、口に入れたばかりのケーキを盛大に吹き出した。
「げほっ、え、何、…っていうか辛!なにこれ辛あああ!?な、何入れたの、夕っ!?」
そして、じわじわくる辛味。
なんというか…ケーキからしてはいけない味がする。
早めに吹いてよかった、かもしれない。
「えー?トムヤンクンペーストよ?もうちょっと入れた方が美味しいんだけど、今日は少なめにしたから、ピンクでかわいいでしょ♪」
目の前でにっこりと天使のような笑顔を浮かべる夕。
…かわいいはずのピンク色が、禍々しく見えてきた。
保健室に集う後輩たちに心の中で合掌して、撫子は水を求めて駆け出した。