【短】おさなじシリーズ★1
午後の授業が始まっても、泣きそうな気分のまま―――
「里中、この問題を解いてみろ。」
・・・ふえ?
ただでさえキライな算数の授業で、まるで聞いてなかった私にはさっぱりの問題を当てられた。
立ち上がってはみたものの、頭の中はますます真っ白になって行くだけで・・・。
かさっ・・・
小さな紙の音に視線を落とすと、羽柴クンがノートの切れ端をヒラヒラさせていた。
そこに書かれていたのは・・・
「X=5・・・・?」
「正解だ。座っていいぞ。」
先生の言葉にほっとして腰を下ろす。