【短】おさなじシリーズ★1
茫然とする私を余所に、砂原クンが微苦笑で羽柴クンに言う。
「おい~?」
「あ?言ったろ?弁当の礼・・・俺こう見えて律儀だかんな。」
羽柴クンの笑い声も遠くに聞こえる。
お弁当のお礼って・・・
お弁当はイチゴオレのお礼で・・・
って、そうじゃなく!!
キス・・・
ほっぺに・・・
羽柴クンが・・・
カーッとつま先から頭まで熱くなる。
驚き過ぎて、悲しいわけでもないのに、涙が滲んできて。
「・・・あ!?里中っ――――」
パニックの絶頂で、私は教室を飛び出した。