【短】おさなじシリーズ★1
「ったく。仲良しって程じゃないにしても顔見知りの砂原相手にあの態度でどーすんのよ。」
「・・・ゴメン。分かってるんだけど・・・」
体育館に向かう間、沙良ちゃんのダメだしに私は項垂れた。
沙良ちゃんが溜息を吐く。
「昔イジメられっ子の所為で傷ついたのは分かるケド、いい加減ふっ切りなさいよ。アンタは本当にカワイイんだから。ね?」
「う、うん。・・・沙良ちゃんアリガト。」
私を勇気付けてくれようとしてくれる沙良ちゃんにお礼を言う。
・・・でも、ダメだな。
昔、近所にすっごいガキ大将がいた。
名前は“トーマ”クン。
グズでのろまで、人見知りで内弁慶の私は、“トーマ”クンをイラつかせるのか、いつも泣かされていた。