【短】おさなじシリーズ★1
ぎゅうっと羽柴クンが強く私を抱きしめる。
「ヤベ、マジで嬉し過ぎる。・・・俺が勝手にしてんだけど・・・キスするとか夢みてぇ。」
耳に押し当てられた胸からはどくどくとちょっと忙しない鼓動。
これは走ったからじゃない、よね。
私羽柴クンに本気で好かれてるって、うぬぼれてもイイかな。
暗くて、地味で、イイトコなんにもない私だけど・・・人並みに恋愛してもイイのかな。
・・・ううん、
本当は権利とか関係ないんだ。
恋愛するのも滑稽な私だとしても・・・
スキって気持ちは勝手に溢れて止まらなくなるもんなんだね。
私、このヒトがスキ。
もっともっとスキになりたい。
勇気を振り絞って、固まった腕をぎこちなく羽柴クンの背中に回した。
fin.
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