エロスからタナトスへ
目を閉じていたら、すこしうとうとしたようだ。

ジョンフンも、シャワーを浴びたようで、髪がすこし濡れていた。

「詩雨子さん。」

「ん?」

ビールの缶とミネラルウォーターのボトルを差出し、

どっち?というそぶりをした。

お水を受け取ると、のどがカラカラだったことを急に思い出したように、

半分ほど一気に飲んだ。

彼は、ビールの缶をプシュっと、開けると、一口二口飲んで、

テーブルに置いた。

「映画の話なんだけど。いつもはどんなの見てるの?」

「うーん。前は、恋愛映画ばかりだったけど、今はいろいろ。

 見た映画の原作がある時は、その本も読むわ。」

「そういえば、ファンレターで本の話書いてきた···」

「もしかしたら、私の手紙読んでくれたの?」

「ああ。やっぱり。そういうのって、珍しいから。」

「うれしい。でも、韓国語めちゃくちゃでしょ。」

「はは。でも、なんとなく言いたいことはわかったよ。

 そうか、君かー。」

やっぱり、彼とはつながっていたんだ。

そう思うと、今日のことも単なる偶然だけではないのかもしれない。



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