エロスからタナトスへ
ゆるゆると起き、

カーテンを全開にした。

ソウルの都会の風景がそこにあった。

こんなところに来ちゃったんだ。

いまさらながら、

現実をとらえきれない気持ちと、

確かにある風景は、偽りのものではないこと。

そこに自分が存在してることを

つらつらと考えた。

テーブルには、

ジョンフンの携帯番号と

もうひとりの電話番号が書かれたメモ。

部屋のカギ。

財布が置いてあった。

短い時間にこれだけ準備してくれた彼に、

なんて答えたらいいのか・・・

私に何ができるのだろうか。



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