エロスからタナトスへ
次の日、マンションの玄関で、

久しぶりにソンミンさんに会った。

「こんにちは。」

「こんにち・・は。」

「ん?その顔は、何か悩みごとですか?」

「ソンミンさん。わかるんですか?」

「これでも、人の心に動きには、一応敏感っていうか・・・

 職業的なものです。ジョンフンさんとケンカとか?」

「いいえ。滞在期限がせまっていて。」

「そうですか。帰国・・・」

「したくないんです。」

「彼を一人にしたくない?」

「というか、私が離れられないんです。」

「んーむ。ジョンフンさん、忙しそうですしね。」

「それで・・・」

「それで?」

「彼に一緒に死のうって言ったんです。」

「それは、また・・・」

「ジョンフンに、ばかなことって言われて・・・」

「でも、わかりますよ。そんな気持ち。」

「ほんとに?ほんとですか?」

「僕なら、嘘でも、じゃあ、一緒に死のうか。って言います。きっと。」

「ソンミンさん・・・」

私はまた、泣きたくなった。
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