エロスからタナトスへ
「詩雨子、今日はまだつきあえるんだよねぇ。」

アキが、素直に聞いてきた。

「ごめん。そろそろ、行かなくっちゃ。」

「また、デート?いつ紹介してくれるの?」

「麻衣子だって、紹介してくれたことなんて、ないじゃない。」

「あはは。」

「あんたは、長く続いた試しがないんだから。」

「アキみたいに、同級生君とは、わけがちがうんだから。」

「なによ。」

学生時代の友達だから、会えば楽しく、

普段は干渉しない。

昔から、二人のおしゃべりを私が聞くパターンだから、

私のことが、話題になることも少ない。

 
「ごめんね。さそってくれて、ありがとう。」

「じゃ、麻衣子とカラオケへでも行くとするか。」

「うん。じゃあね。」

二人とも私の行動は知らない。
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