エロスからタナトスへ
しかし、待てど暮らせど、ジョンフンは来ない。

「入口、他にもあるのかなぁ。」

はるかさんも、心配そうだ。

その時、

黒いワンボックスの車が、やってきた。

「ジョンフンだよ、きっと。」

気づいた他のファンが、「キャー!」っと

駆け寄ってきた。

「もう、こういう人がいるから、困るんだよね。」

さっきの大人っぽい人が言った。

車の扉はなかなか開かない。

集まってきた、他のファンの人に押されて苦しい。

「あ、ジョンフン出るよ!ジョンフーン!」

はるかさんが叫んだ。

マネージャーらしき人と事務所の人に両側を固められ、

ジョンフンが出てきた。

サングラスをしてる。

黒のジャケットに黒の帽子。

かっこいい!

「ジョンフン。。。」

あっという間に、通り過ぎて行った。

「あー、待つのは果てしなく長いけど、見られるのは、

 一瞬だね。」

「それでも、彼に、会いたいじゃない!?」

みんな、そうなんだ。

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