エロスからタナトスへ
まるで誰もいないような自然さで、

彼は、ジャージ姿で現れた。

「詩雨子さんも、着替える?」

そういうと、きれいに畳まれたスウェットの上下を

差し出した。

オンマが洗濯してしまっておいたものだ。

そう思うと気が引けた。

でも、日帰りのつもりだったので、

何も持ってなかった。

「あの、シャワー借りてもいい?」

ちょっと大胆だっただろうか。

でも、着替えるにあたってお風呂に入りたかった。

「どうぞ。」

ジョンフンは、こともなげに言った。
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