初恋のキミへ。

サボる入学式

「ふぁ~」

思わずあくびが出た。

やわらかい日差しが、俺の眠気をさそう。

今は、俺が入学する市川学園に向かっている。


「眠い…ということで、俺は入学式サボるわ。」

隣にいる10年来の親友、新崎 理玖(にいざきりく)に言う。


「はあ!?」

でっかい声出すなよ。眠いんだから…

理玖は、イケメンなのにモテない。モテるっちゃあ、モテるんだけど、友達で終わるタイプ?

こんなカンジでいっつもテンション高いから、誰に対しても愛想いいし。


「眠いだけでサボるとか、マジありえないし!!」

「…ほっとけ。」

「入学式でまず、女の子チェックだろ!?噂のカワイイ子たちがいっぱい来るぞ!?東中の中村美桜ちゃんに、杜山葵ちゃん。不二女の渡辺 和海(わたなべなごみ)ちゃんだろ。あとは…」


「俺がそういうのに興味ないこと知ってんだろ」


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