初恋のキミへ。
女子は中村!?
これは絶対勝たなければ…
俺はひそかに燃えていた。
じゃんけんの相手は…
あの双子かよ!!
「美桜ちゃんとおんなじ委員会したいから、頑張るね♪」
馴れ馴れしく、下の名前で呼ぶな!!
中村が対応に困ってるだろうが!!
「「「最初はグー、じゃんけんぽん」」」
勝負は一発で決まった…
俺の勝ちでな。
心の中でガッツポーズをした。
中村は、俺のほうをくるっと向いた。
そして、こう言ったんだ。
「七瀬くん、よろしくね。」
最高の笑顔を残して、中村はまた前を向いた。
その時、勝ってよかったと、俺は心底思った。
「じゃあ委員会別に、指定された教室へ行って下さい。」
「七瀬くん、文実は視聴覚室だって。どこにあるか知ってる?」
「知らないっていうか、“七瀬くん”って呼び方やめね?他人行儀だし。裕也でいいよ。」
「じゃあ、裕也で…」