初恋のキミへ。
「ほら中村、行くぞ」
「あ、うん」
後ろから、裕也が歩いてるのをみると、本当にななせにそっくり。
髪色は違うけど。
歩き方が似てるなぁ
昔を思い出して、なぜか笑ってしまう。
「ん?なに笑ってんだ?」
「…えっ!?何でもない!!」
びっくりした…
今の“ん?”がもう、ななせが返事したようにしかみえなくて。
「中村、視聴覚室ここなんだけど。なんで通り過ぎてるんだ?」
「あっごめんなさい!!」
「変な奴…くっくっく」
くったくない笑い方するんだな…
私は、委員会中もずっとその横顔を見ていた。