初恋のキミへ。

「うわっ見事に固まってるね…」

「何これ、偶然?狙った?」

「まあ俺は、美桜の向かいでうれしいけど。」


と言いながら、皐月はさりげなく私の肩に手を回してきた。


私はその手を取りながら、「皐月、セクハラ」と言った。

今、寮に着いてわかった。みんな部屋が近いんだ。


4階の角部屋409号室が、裕也の部屋。

その右隣408号室が、私の部屋で、またその隣407が理玖。

それで、裕也のむかいが葵の部屋で、417号室。

葵のとなり、私のむかいが416号室、皐月のところ。

皐月のとなりが伊吹、415。ちなみに理玖の前。


「じゃあまた明日ね~」

「バイバーイ」


みんな部屋に入って行った。

最後まで残ったのは、私と葵。

たぶん葵は、私に言いたいことがあったから、残ったんだろう。

私も同じだから。
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