初恋のキミへ。
―3―
種目決め
5月。
校庭の木が、柔らかな、透き通るような緑の葉を、たくさんたくわえて、みずみずしく光ってる。
あちこちに咲いてる、赤や白やピンクのつつじの花。
教室の窓から吹いてくる風。
風の中の緑のにおい。
白いカーテンが優しく揺れている。
入学式から一カ月後。
みんな学校にすっかり慣れ、うるさくなり始めました。
特に、私のクラス…
目標は『宇宙一のクラスになる!!』に決まったんだけど、よく先生方に「宇宙人のいるクラスの間違いじゃないのか?」と言われる始末。
うるさいのは好きだけどね。
「じゃあ、これから体育祭の種目決めをしまーす。あとは、体実よろしく。」
そう言うと土谷先生は、窓際の机の上に座り、目をつぶる。
おい、生徒に丸投げか。
今は授業中と言っても、体育祭の種目決めだ。
「「えーめんどくさい」」
またハモってるな、この双子は。