初恋のキミへ。
「だからな、美桜が俺と伊吹を見分けられるのが、すごい嬉しいんだ。てか、美桜は、なんでわかるんだ?あんまり変わんないだろ?」
「変わるってば。伊吹は一人だと割と常識人っぽいし落ちついてる。あくまで“割と”だけど。皐月は一人でもうるさいし非常識。あと口も悪い。」
「ふーん…そーなんだ?すごいねおまえ!!」
「…ほめてないけど。むしろ悪意を込めてみたんだけど」
ほめられなくても、すごい嬉しい。
本当に嬉しい。
だから、俺は美桜が好きだ。
たぶん伊吹も好きだ。双子だからわかる。
でも、譲らない。
美桜だけは、絶対…
「あと、強いて言えば、私と皐月って似てるんだと思う。大嫌いな人がいるところ。だから、わかるんじゃないかな。」
「だれ?」
俺は、踏み込んではいけないところに、土足で入ってしまったのかもしれない。