初恋のキミへ。
「教えてほしい?」
「うん」
俺の心臓はすごいうるさい。
なんでこんなにドキドキしてるのかわからない。
聞いてはいけない。
たぶん、俺の負担になるから。
でも、知りたい。
「…自分。」
そう言うと、美桜は、少し憂いを含んだ寂しげな笑顔で笑った。
やっぱり。
美桜の一言を聞いた瞬間、俺はこの気持ちが生まれた。
心のどっかでわかってたんだ。
あの日、あの話を聞いてから…
「それって、入学式の次の日に、寮で話してたことと関係ある?」
「うん。…皐月、聞こえてたんだ。」
「ごめん」
「別にいいの。いずれ、言わなきゃいけないかなって思ってたから」