初恋のキミへ。
「そんなのお前のせいじゃない!!違うよ!!そのトラックが悪いんだ!!」
なんて言っていいか、わからないけど、美桜のせいじゃないってことだけは、伝えたかった。
「でもね、そのトラックの運転手の名字が、新崎なの…関係ないってわかってる!!だけど、やっぱり気にしちゃうよね」
俺はどうしたらいいんだろう。
こんなに小さい美桜を支えることができるだろうか?
何かできることはあるのか?
「美桜は強いよ。普通は、自分のせいにできないよ。」
「他人のせいより自分のせいにしたほうがラクだからね」
「……逆だろ?他人のせいにするほうがラクでしょ?」
「“他人のせい”だと理不尽すぎて許せないと思うけど、“自分のせい”だと仕方ないって思う。腹も立たなくなる。ラクなんだよ。つまりズルいんだ私。」
そう言う美桜の目は、悲しさで揺れていた。
だけど、まだ何か肝心なことを隠している目だった。