初恋のキミへ。
想い出
「ちょっと伊吹!!理玖!!ケータイ返して!!」
「「やなこった」」
もういやだぁこのエンドレス鬼ごっこ…
なんだかんだ言って、10分ぐらい走りまわってる。
「勝手になか見るなー!!」
疲れたし…まあいいや。
私は、返してもらうのを諦めた。
「誰これ?」
理玖と皐月が怪訝そうに言ってきた。
「勝手に写真見るなっつーの」
と言いながら、渡されたケータイにうつってる画面を見る。
「!」
ななせ…
笑ってる、ななせだ…
ななせななせななせ…
「美桜!!」
「ご…ごめっどうしよ…止められな…ひっく」
「どうしたの!?中村!!何泣いてんの?」
「あっ裕也…ケータイの写真見せたら美桜が…」
「そういえば、こいつ裕也に似てね?」
「見せて。全然似てないじゃん。」
『ゼンゼンニテナイジャン』
その言葉だけが、私の頭の中をぐるぐる回る。
「ごめん ちょっと私、帰る。」
「えっ美桜待って…」