初恋のキミへ。
「あの先生がカッコいいからでしょ。お近づきになりたい、とでも思ってるんじゃない?」


そういうことね…
よく見ると、女の子達の目からハートがでてる。


「お前らぁ。絶対、俺目当てだろ。バレバレだぞ。言っとくがな、俺は生徒になんか興味はない!!」
と言いながら、土谷先生はこっちの方を見てきた。

どれだけナルシストなの…土谷先生。


「おし。お前にするわ。真面目そうだし、間違っても俺に惚れねぇだろ?」

土谷先生が、こっちの方に近づいてくる。
そして…葵の前で止まった。


「えっと~杜山 葵?お前を女子の学級委員にするから。文句ねぇよな?男子は…今日サボってる新崎 理玖(にいざきりく)でいっか。」


葵はびっくりしてるのか、何も言わない。動きもしない。


「ちょ、ちょっと待ってください!!なんであたしが…」


やっと葵は言えたようだけど、土谷先生はそんなこと気にも留めない。


「じゃあ、お前は残りな。その他は帰っていいぞ~あしたもちゃんと来いよ~」


―――私は、先生の話をちゃんと聞いてなかったことを、あと何ヶ月か後に後悔した。
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