美味しい時間
ミラクルフルーツのような不思議な気持ち
身体がゾクッとして目が覚めた。カーテンを閉め忘れた窓を見れば、外は
うっすら明るくなっていた。
「あのまま寝ちゃったんだ……」
ゴロンと反対側に転がり時計を見る。5時を少し回ったところだ。
ベッドから降りてふらふらと洗面所に向かった。鏡で自分の顔を見て驚く。
「げっ! ひっどい顔……。最悪だよ」
両手で顔を包み込む。
どのくらいの時間泣いていたのか覚えていない。でも、この顔の状況から
すると、かなり長い時間泣いていたんだろう。
目はパンパンに腫れてるし、顔も浮腫んでいる。
これは化粧をしても誤魔化せないだろうと、ガックリ肩を落とした。