美味しい時間
「はい。俺も裸になったんだから、百花も観念して全部脱いで」
それ、どんな理屈ですかっ!?
「あっそうですね、分かりました」……とでも言うと思ってるのかしら。
まだ胸を隠しバスタブの縁に座ったままでいると、呆れたように溜息をつきなが
ら脇を抱え私を立たせた。
「いやっ、ショーツ脱がせたら怒るからっ!」
最後の抵抗を試みる。
……しかし、その抵抗も呆気なく阻止されてしまった。
「怒った百花も可愛いからね。脱がすよ」
「……自分で脱ぐ」
脱がそうとショーツに手をかけた課長の手をペシッと叩くと、「はいはい」と大
して悪びれる様子も見せず手を外した。
クルッと後ろを向き、観念してショーツを脱ぐ。
「こっち向いて、百花」
嫌だと言わんばかりに頭を振ると、後ろから腰を抱かれた。首筋に顔を埋めたか
と思うと軽く歯を立てる。
「あっ、だめっ……」
この後、何をされるのかと思うと身体が強張ってしまう。