美味しい時間

ずいぶん前から、そこが十分潤っているのは分かっていた。だからって、口に
出して言うことないじゃないっ!
そう腹がたっても身体は正直で、指で弄ばれている奥からは感じる度に蜜が溢れ
出てくる。

「おいっ、締めつけるな」

「そ、そんな……こと、分からない……」

「そっか、分からないんだ」

戸惑う私に構うことなく親指で蕾を押しつぶすようになぞり、中では2本の指が
広げたりかき回したりと快感をもたらしていった。

「やっぱここじゃ辛いな。ベッド行くか?」

行くかって、ここに連れ込んだのは課長でしょっ!
でも今はそんなこと言う余裕もなくて……。
課長の首に両手を回して抱きついたまま、コクンと一度だけ頷いた。
足元がふらついてしっかり立てない私を腰からグッと抱くと、シャワーで身体を
さっと洗い流す。

「ちゃんと洗わないの?」

「どうせ汗かくだろ」

意地悪く笑い、私の顔を覗き込む。その顔がちょっと憎らしくなって、軽く頬を
抓ってみた。

「へぇ~、そういうことするわけだ。覚えとけよ」

腰を抱いたまま脱衣まで連れて行かれ、バスタオルをクルッと身体に巻き付けら
れた。その身体を軽々と抱き上げると、大股で寝室まで歩いていく。
< 261 / 314 >

この作品をシェア

pagetop