美味しい時間
最初こそ少し抵抗してしまったけれど、課長の熱い舌が入り込み絡め吸い取られ
ると、もう何も考えられなくなってしまった。
それどころか、自分から課長の首へと腕を回し、甘えるように舌を絡ませた。
こんなことをしてしまう自分に驚いてしまう。
それは課長も同じだったようで、少しだけ唇を離した。
「何? 急に積極的?」
「だ、だって、やっぱり慶太郎さんが、大……好きで……」
「おまえなぁ」
そう言うと苦しくなるほど私を抱きしめ、さっきよりも激しく深いキスを繰り
返していった。
「今日の百花、俺を煽りすぎ。もうどうなっても知らないからな」
私のすべてを貪るようなキスに身体から力が抜け、首に回していた腕がだらりと
ベッドに落ちる。二人の身体に少し隙間ができると、課長の手が胸へと動いてい
くのが分かった。
やんわりと胸を包み込みすくい上げると、ゆっくりと揉み動かした。
「あっ、はあっ……」
思わず出てしまった悩ましい吐息が恥ずかしくなり手の甲で口を押さえると、
すぐにその手を取られる。
「感じてる声、全部俺に聞かせて」
「んっ……ああんっ……」
ダメ……。耳朶をぺろっと舐めながら甘く囁かれると、身体は素直に反応して
しまう。