美味しい時間

私の変化を感じ取った課長が、一気に動いた。

「んんっ、ああぁっ！」

「悪い……痛いよな」

「んん……、へ、平気……」

強がってそう言ってみた。

「強がり言って。バレバレ」

やっぱりバレてた。眉間の皺を少し緩めヘヘッと笑うと、おでこを軽く小突かれ
た。顔を耳元に寄せると「俺に掴まれ」と首を差し出す。言われたとおり、そこ
に両手を回し抱きつくと、課長も抱き返してくれる。
私の身体を労ってか、ゆっくり動く課長の気持ちに快感と幸せが身体中にゆき渡
り、痛みが和らいでいった。
身体を少し上げ、抱きついている首筋に顔を埋めると、チュッとキスをする。
私の突然の行動に課長がピクッと動き、驚いたような顔をした。

「百花……」

「けいた……ろ……、大好き。もっと、いっぱい、愛……して」

私の口からそんな言葉が出ると思っていなかったのか、しばらく驚いたままの顔
をしていた課長がふわっと微笑むと、愛おしそうに頭を撫でた。

「そんなこと言うと、理性ぶっ飛ぶぞ」

「構わな……っ!?」

最後の言葉は課長の熱い唇に阻まれた。苦しくなるほどキツく塞がれ、角度を変
えるとそこに出来た隙間から舌を入れてきた。歯列をなぞり私の舌を見つけと、
強く吸ってから絡ませた。課長を求めるように、私からも絡ませる。