美味しい時間

「それにしても、よくそんなちっさい身体でこれだけの量を食べれるよな」

「すみません……」

そう言って、ジェラートを一口食べる。
甘いものは別腹だかんね。

「別に謝ることないよ。奢りがいがあるって思ってさ」

相変わらずニコニコしながら、コーヒーを飲む課長。
スプーンをくわえたまま、ボーっと課長の顔を見る。
会社にファンがいっぱいいるだけあって、やっぱりカッコイイ。
まぁそれは、否めないかな。
こんな人が彼氏さんだったら……。

って、私、何考えてるの!?
お腹がいっぱいだから、思考能力がおかしくなってるんだ。
うん、きっとそうだっ。

頭をぷるぷると振って、邪念を吹き飛ばす。

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