美味しい時間
部屋に戻ると、どっと疲れが押し寄せてきた。
のろのろと歩いて奥の部屋まで行き、ベッド上に倒れ込む。
無意識に手を頬に当てる。まだ熱い……。
「慶太郎さん……か」
なんか、ちょっと嬉しい気分になってる自分に驚きだ。
今朝まで大嫌いだった東堂課長。
その人の為にお弁当を作ることになり、その人のことを名前で呼ぶことになるなんて……。
誰が想像できたっ!?
なんだか課長にしてやられた感が強いけど……。
さっさとお風呂に入って綺麗サッパリ、気持ちを入れ替えてお弁当の準備しなくちゃ。
ベッドからむくっと起き上がると、バスタブにお湯をために向かった。