美味しい時間

「百花。今、忙しい?」

「えっと……大丈夫ですよ」

そう呼ばれ席を立ち、コピー機の前でう~んと唸っている美和先輩のところまで向かう。

「このコピー機、いつの間に新しくなったの?」

「あっ先輩が休暇とってる時だから2週間前ですよ」

「そっか。悪いんだけど、これ20部分コピー頼んでもいいかな?」

「はい、いいですよ」

朝から始めた仕事も一段落したとこだったし、たまのコピー仕事も悪くない。
ちょうど席を立ちたいなと思っていたところだったし。

胸がチクンと痛んだあの時から、どうも体調がおかしい。
体調とは言っても、身体がという事ではなく、気分?
お姉様たちが来るたびにイライラするし、課長からのメールを今か今かと待っている自分が自分じゃないみたい……。

どうしちゃったのよ、私っ!



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