美味しい時間

ありえな~いっ!!!
と、と、泊まるって、なんてこと言ってるのよ。
こんなか弱き乙女の部屋に来て、何するつもりぃぃぃ!?

「一人暮らしだろ? 看病してやる」

あっ、看病ね……。
そうだよねぇ~。いくら課長が強引だといっても、病気で寝込んでる私を襲ったりしないよね。

「あは……あははははっ」

思わず声を出して情けない笑い声をあげてしまった。
良かったぁ、熱で顔、赤くって……。じゃなかったら、きっと私の顔はお猿さんみたいに真っ赤かだよ。

「何か期待してる?」

課長がニヤリと笑い覗き込む。

「百花の体調によっては、その期待に応えてもいいけど?」

「結構ですっ!」

「また即答かよ」

ゲラゲラ笑う課長を見て、私もつられて笑ってしまった。
< 67 / 314 >

この作品をシェア

pagetop