美味しい時間
「旨かった。ご馳走さま」
「ご馳走様でした」
課長の満足そうな顔を見て、私も笑顔が溢れる。
「こんなおいしい料理を毎日食べてたら、絶対に太るな」
「じゃあ運動もしなくちゃですね」
「運動かぁ……」
「?」
何か変なこと言ったかなぁ。運動がいけなかったとか?
課長の顔を見て首を傾げていると、いきなり席を立った。
「ちょっとコンビニに行ってくるわ」
「デザートなら出来ますよ」
「いやいや、ちょっと野暮用」
慌てるように車のキーを手に持つと、あっという間に玄関を出て行ってしまった。