へたれ息子①
でも、露骨にでも、車両を変えたくなったのは、そのせいじゃない。
彼女は、すぐに私の息子を隅々まで眺め回した。
値踏みしているのだ。
そして、
「貧相な服~」
と、ケラケラ笑い出す。
恐ろしく、非常識だ。
だいたい、貧相な服など着ていない。
息子は男の子らしく、あまり服に興味がない。
私も、あまり服にお金をかけたくない。
だから確かに高いものは着ていない。
しかーし、この服はヘビーローテーションや、過酷な洗濯環境にも果敢に耐えている。
着古した感のほとんどでない、素晴らしく、良い服だ。